給湯器の取り付けに必要な水道工事について 初心者でもわかる全解説
給湯器を新しく取り付けたり交換したりする際、「水道工事が必要」と聞いたことはありませんか? 実際、給湯器の設置には単なる機械の取り付けだけでなく、水道配管やガス配管、排水処理など、専門的な水道工事が不可欠です。この記事では、「給湯器の取り付けに必要な水道工事の内容と手順」を、水回りの専門家の視点から、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。工事にかかる費用の目安や、信頼できる業者の選び方も含めて紹介。給湯器交換を検討している方、これから住宅や商業施設の設備更新を予定している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 給湯器の取り付けに水道工事は本当に必要?
- 給湯器設置に必要な主な水道工事の内容
- 給湯器取り付けの手順(水道工事編)
- 給湯器交換時の水道工事費の相場は?
- 水道工事業者の選び方|失敗しない5つのポイント
- まとめ:安全・快適な給湯器設置のために
給湯器の取り付けに水道工事は本当に必要?
「給湯器を買い替えるだけだから、工事は簡単では?」とお考えの方もいるかもしれませんが、給湯器の設置は単なる「機械の交換」ではありません。給湯器は水道・ガス・排気の3つの配管と正確に接続しなければ、安全に使えません。
特に水道工事は、以下のような理由から必須です:
- 給水(水)・給湯(お湯)の配管を新設または既存配管に接続する必要がある
- 既存配管の劣化や漏水リスクをチェック・改修する必要がある
- 法令(給水装置工事)や安全基準に従った施工が義務付けられている
「DIYでできるのでは?」と思うかもしれませんが、水道工事は資格(給水装置工事主任技術者など)を有する業者しか行えないよう水道法第16条の2で定められています。無資格施工は違法であり、漏水や事故につながるリスクがあります。

給湯器設置に必要な主な水道工事の内容
給湯器の取り付けに伴う水道工事には、以下の5つの要素が含まれます。
1. 給水・給湯配管の接続・更新
給湯器には「水(給水)」と「お湯(給湯)」の2本の配管がつながります。既存の配管が錆びていたり、口径が合っていなかったりする場合は、配管の交換や延長工事が必要です。
2. リモコン配線と連動配管(必要に応じて)
最近の給湯器は浴室リモコンや台所リモコンと連動することが多く、その配線を壁内に通すための配管加工も水道工事の一環です。
3. 排水工事(ドレン配管の設置)
給湯器は運転中に結露水や微量の排水(ドレン水)を排出します。これを屋外に正しく排水するためのドレンホースの設置と勾配の確保が必要です。排水が不十分だと室内に水漏れが発生する可能性があります。
4. 既存配管の点検・補修
古い住宅では給水管が鉄管や亜鉛メッキ鋼管で施工されていることがあり、腐食や漏水リスクが高いため、交換を勧められることがあります。
5. 圧力調整弁・逆流防止弁の設置(用途に応じて)
特に高圧地域や商業施設では、給水圧が高すぎる場合があり、その際は減圧弁を設置します。また、給湯器から水が逆流しないように逆流防止弁を設けることもあります。
給湯器取り付けの手順(水道工事編)
給湯器交換・新設時の水道工事の一般的な流れは以下の通りです。
- 現地調査・見積もり
業者が現地を確認し、必要な水道工事の範囲や配管状況をチェック。 - 既存給湯器の撤去
水・ガス・電気の元栓を閉め、安全を確認してから撤去。 - 配管の切断・接続準備
新しい給湯器の接続位置に合わせて、既存の水道管を切断・加工。 - 新配管・ドレン配管の施工
必要に応じて給水・給湯管を新設。ドレンホースも屋外まで配管。 - 給湯器本体の設置と接続
本体を壁に固定し、水道・ガス・排気・電気(電源式の場合)を接続。 - 試運転と漏水チェック
水・ガスを流して動作確認。特に水漏れがないかを慎重に確認。 - 清掃・説明・引き渡し
工事後の清掃と、操作方法・注意点の説明を行って完了。
※商業施設の場合は、排水量や使用頻度に応じてより大規模な配管工事が必要な場合もあります。

給湯器交換時の水道工事費の相場は?
給湯器本体の価格とは別に、水道工事費は5万~15万円程度が一般的です。ただし、以下のような要因で費用が大きく変動します。
| 工事内容 | 費用の目安(税込) |
|---|---|
| 基本的な交換(配管延長なし) | 3万~6万円 |
| 配管の延長・新設(1~2m) | 2万~5万円追加 |
| ドレン配管の新設 | 1万~3万円 |
| 鉄管から樹脂管への更新 | 5万~10万円以上 |
| 商業施設での大規模工事 | 10万~30万円以上 |
注意点: 安さを優先して工事費をケチると、後で漏水修理や再工事が必要になるケースも。「適正価格+信頼性」を重視しましょう。
水道工事業者の選び方|失敗しない5つのポイント
給湯器の取り付けは、業者の技量によって安全性や寿命が大きく左右されます。失敗しない業者選びのポイントを紹介します。
1. 水道局指定工事店 or 給水装置工事主任技術者が在籍
水道工事を合法的に行うには、自治体の「指定給水装置工事事業者」である必要があります。確認しましょう。
2. 給湯器メーカーの施工認定を受けている
各メーカー(ノーリツ・リンナイ・パロマなど)は、自社製品の施工に認定業者制度を設けています。認定業者は施工ミスが少なく、保証も充実しています。
3. 見積もりが明細付きで透明
「工事一式」という曖昧な表記ではなく、項目ごとに明記されているか確認。
4. アフターフォロー体制が整っている
工事後の不具合対応や保証期間(通常1年)がしっかりしているかチェック。
5. 実績と口コミを確認
特に住宅街や商業エリアで長年営業している業者は、近隣の配管事情にも詳しいため安心です。
まとめ:安全・快適な給湯器設置のために
給湯器の取り付けには、単なる機械交換ではなく、専門的な水道工事が不可欠です。配管の接続、ドレン設置、漏水チェック——どれも安全で快適な生活を支える重要な工程です。
「費用を抑えたい」「工期を短くしたい」という気持ちはわかりますが、水道工事は“安かろう悪かろう”が通用しない分野です。資格を持ち、実績のある業者に依頼することで、長期的に安心・安全・経済的な給湯ライフを実現できます。
給湯器交換を検討している方は、まずは現地調査と複数業者からの見積もりを取ることから始めましょう。今回の記事が、そんなあなたの“賢い選択”の第一歩になれば幸いです。

